酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う
| 作品名・サービス名 | 酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う |
|---|---|
| 著者 | 幾弥なごみ(著者) / 新巻へもん(原作) / むに(キャラクター原案) |
| 概要 | 外聞の悪さから疎んじられることの多い盗賊・斥候職を務める、冒険者のハリス。孤立して酒浸りの生活を送る彼は、ある日酔った勢いで奴隷の少女ティアナを買ってしまう。それまで酷い扱いを受けていたティアナは、自身を優しく扱ってくれるハリスをご主人様として慕うようになりーー。これは、二日酔いから始まる、盗賊と少女の「再生」の物語。 |
| 公式無料提供先 | カドコミ |
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レビュー
1
酒の勢いから始まる家族愛?
主人公のハリスは、盗賊・斥候という肩書きゆえに周囲から疎まれ、酒に溺れる孤独な冒険者。冒頭の二日酔いのシーンから、彼の荒んだ日常がコミカルに描かれていて、思わずクスッと笑ってしまいました。そんな彼が、衝動的に奴隷市場で少女ティアナを買ってしまうという展開は、まさにタイトル通りの「酔っぱらい」らしい軽快さで始まるのに、そこからじわじわと深みが出てくるんです。ティアナのキャラクターが特に印象的でした。過去の過酷な境遇からくるトラウマを抱えながらも、ハリスの不器用な優しさに少しずつ心を開いていく姿が、胸を締め付けます。奴隷制度というダークな設定がファンタジー世界の暗部をリアルに映し出していますが、決して重苦しくなく、二人の出会いがもたらす「再生」の兆しが希望を感じさせてくれます。ハリスの孤立した生活が、ティアナの存在で少しずつ変わっていく過程が、短いエピソードの中で丁寧に描かれていて、続きが気になって仕方ありません。
全体のトーンは、シリアスなテーマをコミカルに包み込んだバランスが絶妙。酒の勢いで始まるドタバタが、意外と心温まるストーリーにつながるなんて、作者のセンスが光っています。この第1話だけで、偏見や過去の傷から立ち直る人間(?)ドラマの魅力に引き込まれました。ファンタジー好きはもちろん、日常の孤独を感じている人にもおすすめです。
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